今日も「ごちそうさま」を言いたい

摂食障害・過食嘔吐歴6年、MEC食と出会う。

113日目、久々の嘔吐。クロワッサン食べました。

今日の私は生きてなかった、生きてるけど生きてない。吐いたから。朝からお酒飲んだから。飲んで吐いたから。自分で作ったキーマカレー。食べたかったはずなのに、あんまりにも美味しくなくて気持ち悪くて吐いた。

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吐いても気持ち悪いし、吐かなければ死にたくなる。朝からお酒を、アルコール7パーセントのハイボールを2リットルも煽って、前後不覚になりながら吐いてた。以前は気持ちよかったはずの嘔吐感が気持ち悪くて、また吐いた。

ひどい人生だ。

 

今日の悪夢は「見知らぬ男が踏切に居座り、何かを叫びながら電車に跳ねられて死ぬ」夢でした。自分が死ぬんじゃないパターンの悪夢でした。私はたまたま隣にいた見知らぬ女性に「見ちゃダメ!」って叫んで覆いかぶさって、別の男性は面白おかしくスマホ片手に線路に駆け出して。びしゃっ!って、ふとももに飛び散ったフレッシュな赤色と肉片が温かった。夢なのに。あるある。

駆け寄った男性は暗褐色の血しぶきをあびて、ハリウッド映画みたいに頭から靴まで血みどろになってた。「だから行くなっていったのに!」。そういう夢だった。自分が死なないぶん、轢かれた男の死に様を見なかったぶん、まだマシなほうだけど。ひどい夢だ。ひどい人生だ。

 

悲しくて悔しくて、アルコールが脳細胞を死滅する傍ら、何故か唐突に、ものすごくクロワッサンが食べたくなった。酒飲んで吐いたから、一気に血糖値が下がったんだろうね。過食嘔吐はパン中毒。大学生の時に読んだ通りだ。私は過食嘔吐なんだ。どうせ。どうせ。そんな人生。

逃げるようにバスに乗って駅に行って、パン屋で小さなクロワッサン2つを買った。大きいクロワッサン1つより安かったので。

アルコールが回ってて、もう、脳なんか死んでる。アイスコーヒーと一緒に流し込んだ。美味しかった。クロワッサンは私の想像とひとつも違わないまま、クロワッサンだった。何言ってんのかわかんないね。ごめんね。それだけ私はクロワッサンを食べたかったんだよ。

 

サクサク咀嚼してる数分間、パン屋の窓からバスを眺めてた。川越駅行きの表示が八幡団地行きに変わる瞬間とか。八幡団地がどこか私は知らないけど、バスは走るらしい。街はそんな風に、変わらない日常を過ごしてた。孤独が胸を締め付けて、誰にも会いたくないのに寂しくて、泣きたかった。

 

この場所で私だけがクロワッサンを食べてて、でもそれを吐こうとは思わなかった。美味しかった。すごく美味しかった。サクサクのフワフワだったよ。パン屋のクロワッサン。吐こうなんて気持ちは微塵も湧いてこない。パンなのに。

 

帰り道。駅前でデモみたいなことをしてる集団のうち、一人のおばさんが「打倒安倍!絶対に許さない!」なんて物騒なチラシを誰彼構わず配りながらも、隣のおばさんと「コンビニのしらすおにぎりが美味しかった」なんて話してた。そうなんだ、しらすおにぎりが美味しかったんだ。なんかひどく泣きたくなった。実際ちょっと泣けた。だってこんなに物騒なことを、どんなに喚いたって平民にはどうしようもないようなことを、雨降りのこんな駅前で誰彼構わず喚き散らしているような人たちが。しらすのおにぎり、美味しかったんだって。私が悪者みたいだった。そんなひとりずもう。

この人は実は少しも過激派なんじゃなくて、真っ当で。私と同じように、余生を粛々とすごしてるだけなんだなって思ったら、活動家を苦手に思う私がひどく惨めだったよ。今日の私は、なんだか勝手にひとりぼっちだね。愛護団体とか活動家って全般的に苦手だけど(私にはそれだけ主張したい情熱や意思が無いから)、その瞬間だけを切り取れば、私たちはこんなにも同じだ。活動家、過食嘔吐、絶対に触れ合わない人種も本質はただの「個人」なのに。なんでこんなに私は上手く生きられないんだろう。生きるなら、もっと上手に生きたいのに。

 

いっそ酔った勢いで、夢の中の男性と同じように電車に飛び込みたい。しないけど。絶対生きるけど。死ぬのは案外難しいって知ってるからね。きっと私が特急列車に飛び込んだところで足とか手とかの一本や二本がなくなる程度で、それで結局生きてるんだと思う。それならせっかくの五体を満足のまま生きてたいし、痛いのも辛いのも嫌だし。あの夢の中で電車に轢かれた男は、いったい何者だったんだろう。何を叫んでいたんだろう。私は何を叫びたいんだろう。とりあえず泣き叫びたいだけなのかな。年甲斐もなく。

 

私が作ったキーマカレーはあんなにも不味くて塩っぱくて吐きたくて吐いたけど、クロワッサンは美味しかった。血糖値も落ち着いた。酔いも覚めてきた。うん。やっぱり吐こうとは思わない。

 

大丈夫、私には介護があるもんね!私には介護があるもんね!そうだ、やっぱ休みの日なんてない方がいいね!朝からお酒を飲んじゃう私は最低最悪。自己嫌悪待った無し。

糖質は私を不穏にするけど、たまにはクロワッサン食べたいときもある。ショーウィンドウに写る私の、赤ちゃんみたいにまんまるの腹。死にたい。生きるけど。

 

打倒安倍!のチラシは誰にも貰われないまま、それでも声を張り上げてる団体のひとりひとりは、なんでそこまで生きることに情熱的になれるのかな。政治家が浮気したって脱税してたって強行採決したって私はちっとも悔しくないし、なんかもう、なんかもう……心底どうでもいい……。でもしらすのおにぎりに関しては、ちょっと興味ある。コンビニのおにぎりと活動家っていう、まったく違う一ページは、実は隣同士でくっついてた。私は本当に愚かだね。みんなそれぞれ、ちゃんと生きてるんだね。私の隣には過食嘔吐がくっついてるよ。ひどい人生だ。ヘイトスピーチに必死になってる人たちを心底ひどいと思ってる私は、実は過食嘔吐です!食べて吐いてます!なんて、ひどい。ひどすぎる。

 

ああ。認知症で何も分からなくなるまで、この日々が続くんですか。この耐え難い1秒を1秒ずつ生きていかなきゃいけないんですか。生きるっていう作業は、そんなに尊いですか。吐いてでも?

 

しらすのおにぎりを食べることのない私でも、つつがなく、粛々と余生が生きられますように。

 

クロワッサン、ごちそうさまでした。美味しかったです。

 

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